仮想通貨の胎生的限界

仮想通貨は生まれつきの特徴を抱えている。これは仮想通貨という用語の中からも答えを見つけることができる。これまでの通貨は、取引機能と投資機能に分けて使われてきた。取引用の通貨は農業革命を呼び起こす主役になる。以後、取引用の通貨に投資機能が加わったのは、産業革命の時からだ。通貨の投資機能は世界の製造施設を建設し、人類社会は飛躍的な発展を遂げる。

しかし、200年間続けてきた投資通貨の機能に問題が生じたのは、皮肉にも技術の発達によって自動化と分業化が進み、製造業の発展スピードが遅くなったからだ。結局、産業革命の主役でありながら製造施設への投資を通じて工業経済を導いてきた投資通貨は、投資先を見つけられず、不動産と派生商品に手をつけてしまった。生産機能に投資できないお金は、増やされることはあっても、正常な経済発展に貢献できなくなる。結局2008年、史上初の世界金融危機を迎えてしまう。

仮想通貨が行き場を失った投資通貨を補完するために「通貨」という名前で登場したのも2008年だ。このような仮想通貨の生まれつきの限界と目標に我々は注目すべきだ。2000年初め、数多くのポータルサイトの競争からネイバーやダウムが生き残った理由は、製造の価値から中心が移動されたポータルプラットフォームの根本的な特徴を見抜いたからだ。

仮想通貨の生まれつきの特徴の把握ことは、仮想通貨の生死を決定する絶対的に重要な要因となる。

第一、取引と投資の機能の他、新しい第3の概念を持つ通貨の機能が創造されるだろう。これまで通貨として使われなかった部分や価値の取引などにも使用可能な、既存の経済学者が経済学的な仮説と公式では解答を予測できない、非常にエントロピーが安定的な通貨モデルが誕生するだろう。シェアリングエコノミーが一時期に社会を混乱させたが、結局、シェアリングエコノミーまたは共有経済は、蓄財過程の不透明性によって正当性を得ることができずに消え去ってしまうが、これに置き換える通貨の経済モデルも誕生するだろう。

ただし、このような経済モデルは、社会工学的要素と第4次産業革命に適合した情報工学的要素、そして新金融システムを提示する金融工学的要素が結合され、発現されるだろう。そしてこのことから、経済学者や金融専門家らの強力なけん制と叱咤を受けるはずだ。このようなけん制と叱咤は、主流的な秩序が崩れ、新しい秩序が主流秩序に取って代わる時に現れる現象である、移行期的混乱ですでに現れてた現象であり、大勢に逆えない経済トレンドにもかかわらず、従来の経済既得権の拒否とけん制は非常に強力な障壁になるだろう。このような強力なライバルであり妨害者が存在する中、不足なビジネスモデルとしてアプローチすることは自殺行為となる。

第二、投資商品が発展している既存の投資金融商品を仮想通貨が代替することはできないだろう。従来の投資通貨が金融危機を招くようになったのは、経済の発展に役に立たない部分に投資したからだ。仮想通貨は、投資金融の関心外、しかし社会の発展には必ず必要な領域に導入されるだろう。保険、積金、投資商品など、仮想通貨を既存の投資商品に代替するという妄想を捨てなければ、消えた数多くのポータルサイトのような運命になることを肝に銘じなければならない。

第三、仮想通貨を生活の中で取引通貨として使用するという妄想を捨てよう。取引通貨から投資通貨として中心を移動させてから、投資保証書を持って買い物をするという話と同じだ。このような妄想は、通貨という枠に閉じ込められているからだ。もちろん仮想通貨を使えるところもある。北朝鮮のような開発途上国など、自国の通貨機能が十分に機能できない市場で使用されることは考えられる。自然災害が頻繁な金融先進国の日本は第1世代通貨のキャッシュ、韓国は第2世代通貨のクレジットカード、中国は第3世代通貨のモバイル決済を採択している。では、第4世代の通貨は仮想通貨になる可能性もあるだろう。

先進国はすでに自国通貨の価値を管理しているため、通貨スワップとして仮想通貨が使われる可能性は非常に低い。賭博や麻薬の資金移動に仮想通貨が使われる理由も、既存の通貨と差別化される分野がこの分野しかなかったからだ。このため、金融がある程度発展した国家のレストランやショッピングモールで仮想通貨を使用するという妄想は、20年前に消えたポータルサイトになる運命であることを肝に銘じなければならない。

この三つの特徴に合ったビジネスモデルとアイテムを粘り強く開発した仮想通貨だけが、20年後にも生き残ることができる。仮に数千個の仮想通貨のうち、上記三つの機能を全て考慮した仮想通貨が誕生すれば、今の「ネイバー」や「ダウム」より、世界で最も強力な企業になるだろう。

20年後には、自国の通貨機能が停止されている約70ヵ国でこの仮想通貨が自国通貨として使用され、投資金融が接近できなかった社会的問題を解決するのに仮想通貨が積極的に使用されるだろう。また、アマゾンのようにライバル会社や産業を破壊せず、テンセントのように国家の力を借りなくても成功するだろう。グーグルのようにグーグルグラス、IoT、AIなどを用いて株価を引き上げなくて、環境を破壊しなくても成功するだろう。これが生態系の構成員すべてが必要な恩恵を分け合う「享受経済」の哲学であり目標だ。

Pro. HangJoon Park (news@dailycoinews.com)의 기사 더 보기

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