「Trezor Mobile Wallet」、「Coin Wallet-Bitcoin、 Ripple、 Ethereum、 Tether」

ビットコイン価格が高騰する中、2つの偽仮想通貨ウォレットアプリがGoogle Play上で確認された。１つは「Trezor Mobile Wallet」という名前のハードウェアウォレットTrezorを模倣したもので、もう一方は「Coin Wallet　– Bitcoin、 Ripple、 Ethereum、 Tether」という名前のものだ。

この2つの偽ウォレットは、サーバーが共通している点や、コードやインターフェースが共通している点から、同一人によって作られグーグルプレーに登録されたものと、サイバーセキュリティ企業のESETは報告している。

ESETは、偽ウォレット「Trezor Mobile Wallet」について次のように分析している。

Trezorの複数のセキュリティレイヤを考慮すると、Trezorユーザに害を及ぼすことはない。

2019年5月に、開発者名「'Trezor Inc.」でアップロードされ、Google Playで「Trezor」を検索すれば、偽のアプリが公式の「Trezor」アプリの次、2番目の結果として登場した。

現在はグーグルプレイで検索できないが、違和感のない見た目となっており、真偽の判断は難しい。

上のアプリを起動すれば、ログイン画面が登場し、そこに入力したログイン情報がアプリ作成者のサーバーに転送されるようになっていた。ここから得た情報をもとに、Trezorユーザーへのフィッシング詐欺を行う可能性などが懸念されていた。

すでに知られていた偽ウォレットアプリ「Coin Wallet」については、2019年2月7日から5月5日まで公開され、1000人以上のユーザーがインストールしたと報告している。

この偽アプリは、ユーザーにそれぞれの通貨に対応したユニークなアドレスを与えるように見せかけて、実際はアプリ作成者自身のウォレットアドレスで、その偽アドレスへ仮想通貨を伝送させる仕組みをとっていた。

サイバーセキュリティ企業ESETは、これらの偽ウォレットの対策として,次の事項に留意することを推奨している。

仮想通貨関連やその他金融サービスは、公式ウェブサイトからリンクされている場合にのみ信頼する。

機密情報の入力は、機密性と正当性が確実な場合にのみする。

デバイスを常に最新の状態に保つ。

現在は、上記のウォレットがグーグルプレイから消えたが、今後も類似した詐欺目的のワレットが出る可能性があり、ウォレットに対するDDoS攻撃による不正なメッセージ表示など、手口も巧妙化しているので、一層注意が必要だ。

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