第4次産業革命委員会への役割

第4次産業革命委員会の委員長に李惠薰議員が就任した。委員会役割が非常に重要な時期での就任である。

その理由として第一が、第4次産業革命の定義が定められていないからだ。第4次産業革命という言葉を作り出したダボス会議でも第4次産業革命定義が明確ではない。そのため、何をするかも決定できずに、第4次産業革命という言葉は政治的な掛け声になっていると言わざるを得ない。

第二は、第4次産業革命時代をけん引する様々なデジタル技術は存在しているが、経済の活性化の起爆剤にはなっていないからだ。産業革命といっても、我々が実感できる革命的な変化は起きていないのが現状だ。

第三に、産業革命を促す起爆剤を選択しなければならないタイミングであるからだ。歴史的に革新的な技術は、経済的な起爆剤を引き金に、産業革命として発展した。

革新的な農業技術の発展は、余剰農産物の発生につながった。しかし、保存技術が確保されなかった時代に、地域や収穫時期が異なって不可能であった余剰農産物間の相互交換を「貨幣」で解決することになり、農業産業革命が始まった。その後、蒸気機関車と電気技術が「金融」と融合して工業産業革命になった。金融が大量生産ができるよう、工場設立と機械を備えるよう支援したのだ。

 「貨幣や金融」という起爆剤がなかったら、どんなに革新的な技術であっても、産業革命を触発させる動力はもちろん、当時の産業を転換させる革命的な経済成長を成し遂げることはできなっただろう。

現在を見てみよう。ドローンや無人自動車、IoT、遠隔診療、スマートシティなど、革新的なデジタル技術が次々と登場しており、世界を代表する政治家や実業化が集まるダボス会議でも、第4次産業革命あるいはデジタル産業革命が間もなく起きるという期待の声が出ていた。しかし、2年が経った今も、産業革命に対する兆しは見えない状況だ。理由は明らかである。それはデジタル技術と組み合わせる経済的な起爆剤が不在しているからだ。

世界的有名な経済学者ジェフリー・サックスは「将来の人類は、生活で使うデジタルデバイスが300種に達するだろうう」と話している。今わずか20種未満のデジタルデバイスを使用している人類が、生活で、300種のデバイスを使用するには爆発的なデジタル需要とデジタル産業経済の基盤が必要になる。デジタル産業革命がそのベースになるわけだ。

デジタル産業革命（第4次産業革命）のきっかけとなる経済の起爆剤は、クリプト（著者は、仮想通貨+ブロックチェーン+ソーシャルインパクトを一言でクリプトと定義する。）だと確信する。

クリプトは、デジタル技術を活用し、金融コストの削減、分散化されたセキュリティ、社会課題を解決できる潜在力をもっている。現在のデジタルデバイスを最大70％以下に値下げできる仕組みも有している。様々なデバイスを使い、300種に達するのデバイス価格を払う、デジタル奴隷にならないためには新しいクリプト経済システムの確保が欠かせない。クリプト経済システムが確立されてからこそ、デジタル技術を享受できる時代になるだろう。その前提にはクリプトのさらなる高度化・拡大化を図り、デジタル技術と融合させる創意工夫が欠かせない。

第4次産業委員会の役割は非常に重要である。韓国高麗大学キム・ヒョンジュン教授は、「仮想通貨は天から文在寅政権への贈り物だ」と言う。デジタル革新技術のキャンドルが第4次産業革命に火を付ける役割を果たせるのかは、デジタル技術とクリプトエコノミーの融合に向けた、規制改革やクリプト経済政策の策定、クリプトへの支援及び育成が左右するだろう。委員会の取り組みに期待したい。

 

区分	農業産業革命	工業産業革命	デジタル産業革命 （第4次産業革命）
革新技術	農業技術	工業技術	デジタル技術
経済起爆剤	貨幣	金融	クリプト

 

 

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