金融カオスな時代の到来

世界初の保険金融商品は船舶保険だったという。エジプトのハムラビ法典には「船舶の所有者が航海に先立ち、その船舶を担保に投資者から資金を借り、航海途中に事故に遭った場合は損害の程度によって借金の全部または一部を免除してもらう代わりに、無事に航海を終えた場合には貿易利益金を分け合う」と記されている。

保険という金融商品が誕生する前の経済の様子はどうだったのだろうか。通貨は誕生してからずっと商品の取引だけに使われていた。国家が発行する通貨だけで取引していたある日、民間の保険投資証書が発行される。ところで保険投資証書はお金だろうか。お金ではないとすれば、どこに使えるだろうか。この証書で品物を交換することができるか。

保険証書を初めて接した人々は、これで何ができるかを知りたがったり、お金ではないと批判もしただろう。市場では、使用しようとする者と使用を防ごうとする者同士の対立もあっただろう。頭の良い人は、この証書が通貨に取って代わり、食事や買い物はもちろん、数十数百倍の利益を残すこともできると騷いでいたかも知れない。

投資金融証書の誕生により通貨の独占が崩れ、全く違う経済環境が造成されたときの混乱が想像に難しくない。交換の他に信用と担保という新しい価値が通貨に追加される時代を迎えた我々の先祖たちは、恐らく情緒的、社会的、経済的混乱を頭の中で経験しただろう。

今の時代には「仮想通貨」が誕生したが、一体何に使われるものかが分からない。歴史的には、農業技術と結合した貨幣金融が農業技術を急速に広めて、農業産業革命を起こした。また、工業技術と結合した投資金融の誕生が製造技術を急速に広めて、工業産業革命を起こした。これらのように、デジタル技術と結合した仮想通貨の金融がデジタル産業革命（4次産業革命）を発現させるだろうということは予測できる。しかし、仮想通貨の金融が既存の「取引」と「投資」というパラダイムに加え、どのような金融パラダイムでデジタル技術と結合されるだろうかについては、まだ明確に予測できないだけだ。

したがって、仮想通貨ビジネスを行う革新企業家は、自分がすべきことは何か、ミッションを明確に認識しなければならない。代用品になってはならない。ラーメンを食べる際、買い物をする際、貿易の際、通貨の取って代わりに仮想通貨は必要ない。株式と債券を通じた投資利益に取って代わる、投資の代わりに使われるものが仮想通貨であってはならない。

私たちの使命は、デジタル技術が結合する新たな金融システムを創造することだ。我々が創造した新たな金融システムで急速に発展されたデジタル技術が生活に広がり、生活の質が向上できるようにすべきだという点を肝に銘じなければならない。これがこの時代の私たちの使命だ。そうしてこそ、デジタル技術も仮想通貨技術も生き残り、4次産業革命を享受できる。

Pro. HangJoon Park (news@dailycoinews.com)의 기사 더 보기

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